当社は開発中のKUS121について、2023年10月10日に米国規制当局であるFDA(Food and Drug Administration)に対して、網膜中心動脈閉塞症(CRAO)を対象とした第Ⅱ相試験(GION試験)の治験届(Investigational New Drug Application、IND申請)を提出いたしました。この度、30日間の審査期間を経て、2023年11月10日をもって試験開始可能となりましたのでお知らせいたします。
本試験は、KUS121の安全性、有効性および至適用法・用量を調べることを主な目的として、米国内で多施設共同治験として、2024年初頭より開始予定です。当社はこれに向けた準備を鋭意進めて参ります。
当社は本試験を、国立研究開発法人日本医療研究機構(AMED)より支援をいただき「創薬支援推進事業-希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業-」の助成金を活用し迅速かつ効率的に進めて参ります。
▼GION試験について
本試験は、非動脈炎性網膜中心動脈閉塞症(CRAO)と診断され、発症から3~48時間以内の患者を対象に、KUS121の硝子体内注射(IVT)の有効性と安全性を評価する第II相、二重遮蔽、Sham対照、多施設、並行群間比較試験です。被検者はKUS121高用量群、KUS121低用量群、Sham群(針を付けない注射器を使った偽注射)に1:1:1の割合で無作為に割り付けられ、KUS121またはShamを1日1回、3日間、硝子体内注射されます。有効性の主要評価項目は、最高矯正視力文字数(BCVA) が投与前と比較して15文字以上改善した被験者の割合であり、12週時に評価されます。GION試験は米国内の複数の治験施設で実施される計画で、詳細はClinicalTrials.govにまもなく掲載される予定です。
▼KUS121について
KUS121 (Kyoto University Substances)は、バロシン含有タンパク質のATPase阻害剤であり、細胞内のATPレベルを制御し、細胞死を防ぐことができる新規の神経保護剤です。KUS121は、京都大学の研究者によって創製され、現在、網膜中心動脈閉塞症(CRAO)患者に対する新たな治療法として臨床試験が実施されています。CRAOは、重度かつ永続的な視力低下をもたらす眼科の急性疾患であり、現在、エビデンスに基づいた治療法は存在しません。日本国内で医師主導治験として実施された第I/II相試験では、KUS121の硝子体内注射が安全であるだけでなく、罹患患者の視力改善に有効であることが示されました。第II相GION試験(京都の祇園地区にちなむ)は、2024年初めに米国で開始される予定です。KUS121はCRAOのファースト・イン・クラスの治療薬となることが期待されています。
▼株式会社京都創薬研究所について
京都創薬研究所(KDDD)は、京都大学の研究者が創製した新規の神経保護治療薬(KUS)を開発する創薬ベンチャー企業です。KDDDは、難治性眼疾患、特にCRAO、網膜色素変性症、加齢黄斑変性症(AMD)、緑内障の患者を救う革新的な医薬品を提供することを目指し、研究開発を行っています。
詳しくは当社のウェブサイトをご覧ください。
https://www.kyoto-drug.com/
お問い合わせ先
株式会社京都創薬研究所
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